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クオリアのクオリアによるクオリアのための日記 クオリアとは?(英:複数形 Qualia、単数形 Quale クワーレ)とは、心的生活のうち、内観によって知られうる意識の現象的側面(現象的意識)のこと、またはそれを構成する個々の質感のこと。感覚質(かんかくしつ)とも訳される。ウィキペディアより抜粋
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水幡正蔵「進化論革命による人類社会維新!」より

(1)養老「二つの情報世界論」に対する発展的解釈

 養老孟司氏は『人間科学』で「二つの情報世界論」を展開した。それによると遺伝情報系と脳情報系を「生きたシステム内の情報機能」として捉える。つまり遺伝情報系と脳情報系は明確に対置できる物質的機構であると位置づける。ここで遺伝情報系については、遺伝子=遺伝プログラムによる情報の翻訳・複製システムとして科学的説明がなされている。
 そうであるならば脳情報系も、その情報の翻訳・複製システムを表すことで、「意識」を生み出す機構を科学的に説明できるのではないか。それによって「意識」は哲学の問いではなく、科学の問いになるに違いない。養老氏はこのように捉えた。

 養老氏はさらに「二つの情報系」の対照関係も表した。それによると「遺伝情報系/細胞:遺伝子」に「脳情報系/脳:言葉」が対照できるという。新今西説からすると、ここに養老「二つの情報世界論」の発展的解読が必要になる。
 つまり、遺伝子に対して言葉を対応させてしまったら、人脳限定の理論になってしまうということである。遺伝子が個体発生を制御するプログラムであるなら、脳にあるプログラムとは個体の行動を制御するプログラムであるはずだ。こういう行動制御プログラムということなら、脳ある動物すべてが持っているはずだ。そこでそのような脳内の行動制御プログラムを脳プログラムと呼び、遺伝プログラム(遺伝子)と対比させればよいと発展的に解読した。

 こうなると生きたシステムとして細胞に対照されるものが脳というのもおかしいことが分かる。なにしろ遺伝プログラム総体の所在は細胞核だ。脳は脳プログラム総体の所在だから、細胞ではなく細胞核に対照されるはずだ。となる生きたシステムとしての細胞は何に対照されるかだが、これは脳を機能させる個体ということになる。
 このような発展的解読を繰り返していくと「二つの情報系」の対照関係は明確になる。つまり、「遺伝情報系/細胞:細胞核:遺伝プログラム」に対して「脳情報系/個体:脳:脳プログラム」である。これをさらに発展的に解読すると遺伝情報系も脳情報系も共に種単位の情報系であることが分かる。それで遺伝情報系は「種ゲノム情報系」に、脳情報系は「種脳情報系」にそれぞれ言い換えた。
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